Showing posts with label SATC. Show all posts

性交と街 シーズン1 第2話 

道は混んでいた。
累々と並ぶ死体の山の山脈と、
誰も乗っていない車の渋滞。
この世の終りのような光景だった。
太郎は夢を見ているのだろうと思った。

あまり寝起きも良くなかったし、なぜか我が家が煙だらけだから。
きっとそのせいで、白昼夢でも見ているのだ。
そう独りごち
目の前の光景は夢であると疑うことなく、パチンコオアシスを目指した。

なんと残酷な夢なのだ。と太郎は思った。
時には知る顔も見かけた。ローソンの店員。近所に住む家主。いつもこの辺りの掃除をしているじいさん。
その全てが死体であったが、別段悲しい気持ちも湧かなかった。
知る顔といえどもひと言ふた言交わしたことがあるだけの他人である。
ざまあみろとさえ思った。
ローソンの店員はいつもおでんを頼むと面倒そうな顔をする。
弱気な太郎はそれが気になってこの間の冬は結局一度もおでんを食べられなかった。
家主は口うるさい。
このあいだ、訪ねてきた友人がほんのちょっと(ほんの2時間か3時間だ)アパートの前にチャリを停めておいたら、撤去された。きっと家主が電話したんだ。
掃除ばかりしているじいさんは、ただ、善人ぶった顔がキライだ。

太郎は自らの中にこんなに憎しみが眠っていたのかと、少し怖くなった。

信号は、赤が点滅していた。
これは夢なのだから、パチンコ屋に行ってもしょうがないんじゃないか?
そう気付くと、太郎はなにもすることが無くなって、ただその場に立ち止まり
辺りの光景をぼんやりと眺めた。

性交と街 シーズン1 一話

太郎は煙だらけの部屋に住んでいた。
起きぬけ、先日コンビニで買ったインスタントコーヒーを入れに台所へ向かうと、
バボキッという変な音がした。
朝方まで雑司が谷のもつ焼き屋で呑んで潰れて
そのまま宿を求めてきた○シイの、肥えて胴体のようになっている腕を踏みつけてしまったのだ。
明らかに骨の折れる音がした。
当たり屋の○シイの性格からいっても高額な治療費をふっかけられるのは自明であった。
○シイはしかし全く目を覚ます気配も無く、
睡眠時無呼吸症候群特有の歯軋りを鳴らしていた。

太郎はコーヒーを諦め、○シイの体をてこの原理を使って持ち上げ、
アパートの窓から隣家の家の庭に遺棄して外へ出かけた。

今日は3のつく日、近所のパチ屋の出す日である。
いそがなきゃ、いそがなきゃ。
かわいらしい独り言をつぶやきながら、太郎は先を急いだ。

性交と街~sex and the city~(作品紹介)

血達磨太郎は、地元のカストリ誌「死屍累累」に『性交と街』という四コマ漫画を連載する漫画家。漫画には自分の恋愛ネタから友人のセックスネタまで満載。ファッションと靴をこよなく愛し、特にアダディスの靴に目がない。自称恋愛至上主義。ヘビースモーカー。左利き。

ヒロミ○シイは、アートギャラリー近辺の当たり屋。純愛主義でお坊ちゃま。結婚願望が強い。

木田太郎は、北国出身の予想屋。かなりの毒舌であり、常に女性と従属の関係を望んでいるマゾヒスト。太郎の良き相談相手で、彼が行き詰まると電話で呼び出され、必ず駆けつける。

夏木ゆかたは、肉のハナマサの店長。4人の中で最も自由で最もセックスに積極的。あまりにきわどい話に、他の3人がついていけないことがしばしば。他の3人より少し年上。
 
東池袋に住む彼ら、40代独身男子4人の生活をコミカルに描く。