ノルウェイの森

2010(JPN)/133min
Dir:トラン・アン・ユン


率直に面白かった。原作は昔再読を幾回繰り返したことがありその経験は映画を楽しむことができた重要な要因となった。つまりトラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」を追体験することだ。あくまで村上春樹は原作でありトラン・アン・ユンの色眼鏡を楽しみながらと同時に映像造形に繊細な人だったのかとその才能に魅了させられる。ハルキニストに言わせれば大いに議論の余地があるのかもしれないが映画化における原作の役割と敬意という点においてトラン・アン・ユン監督は素晴らしい仕事をしたと思う。
劇中では終始言葉がフワフワと宙を舞っているがコノ違和感は最後までなじむことができなかった自分には少し残念だった。ワタナベの棒読み感と直子のバカっぽい声と緑の舌足らずな言葉達はどれも自分がイメージする彼等には許容することができないキャラクターであった。トラン・アン・ユン作品であることに自覚的でありながらその解釈にケチをつけて楽しみを半減させてしまった。
Doorsの使いどころはグンバツ。

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