みものんたかみのもんたか分からなくなって、近くの公園をiphoneにて検索し逃げ込んだ。
ベンチとして使われているであろう石の板に腰掛け、数分前までの私を笑うことが出来るほど冷静さを取り戻し、けつのポケットに入れてあった文庫本を取り出して、開いた。
「ポリ袋」というタイトルのこの本を私はいつまでたっても読み終わることが出来ず、書店でかけてもらったブックカバーは私の手とジーンズのインディゴがうつって黒ずみ、ところどころは破れていた。
読まれるという本そのものとしての昨日を果たす前に、この本はどろどろになって読めなくなるだろう。
そんなことを考えていると目の前をみのもんたに似た男性が通った。本人より肌は白く、髪は黒かった。
私は、みのもんたその人ではないと知りながら、彼に「もしかして、みのもんたさんですか?」と声をかけた。
彼は「そうです。」と臆面もなく嘘をつき、しかもわたしの文庫本のブックカバーに贋物のサインまでしていった。
わたしは、「ああこれが、よく間違われすぎて、面倒で本人のふりするパターンか。」と思ったが、感動した顔をして、ありがとうございますといって別れた。
男性は表情をひとつも変えずに振返り、立ち去った。
ブックカバーの汚れで、サインは殆ど判別できなかった。
日曜日、公園
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