日曜日には鳶色のパンツをはいて出かける。水溜りがあればそれをスキップでよけながら、なければ普通に歩いて駅に向かう。電車に乗って座れる席を探すがきっとないので退屈な車中の時計を早送りするアイテム、DSを持っていく。レイトン教授をやりながら駅をやり過ごし、目的地に着く。目的地には丸い大きな豆腐を目玉商品としたスーパーの店主と、髪の毛を紫に染めた全裸の男が立っている。おはようございますというと相手も返してくれるが他に会話はなくて、あと9時間くらいはそのまま時を過ごさなくてはならない。電車の中みたいにレイトン教授の出してくる謎解きに没頭することも許されない。駅を出てすぐ、紫の髪の毛の男の持ちビルだという高層ビルの23階、夏だとは思えないほど冷え切った広い会議室の中心に座して、一言も、一目も交わすことなく沈黙しきったままで3人は同じ場所で同じ時間を過ごし、それぞれ別のことを考える。私は青い、ゴム風船の割れる瞬間の映像を思い浮かべた。ありがちで、つまらない映像だった。そこで、その映像に登場人物を設けることにした。長身のモデル体系。阿部寛のような男が、青い風船を子どもに配る。そこで私は子どもも登場させなければならなかった。タータンチェックのシャツとベージュの半ズボンをはいた普通の男の子だ。長身の男が男の子に青い風船を渡す。幻想的な微笑をしてそれを受け取った男の子は、きっと両親が待っているであろう奥のほうへ、青い風船を持って走ってゆく。奥は深い霧で、男の子は飲み込まれすぐに見えなくなった。しかし不思議なことに青い風船は消えることなく、最初の印象をとどめたまま霧の中からも見え続けた。暫くすると、もう一人の子供がやってきて長身の男に風船をせがむ。長身の男の手にはもうひとつも風船が無くなってしまっていて、、、これでは風船の割れる映像に繋がらない。
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