Bubble

Bubble / 2006 (U.S) 2010 (JPN) 73min.
Dir:Steven Soderbergh
Wri:Coleman Hough

 あまり大声では言えないがハンバーグ先生の作品の中ではダントツで『セックスと嘘とビデオテープ』が好きなんだわ。大声で言えない理由はそんな事を言っちゃった日には「アホだな」「格好つけるな」「知らねーし」とかカネガネ盛り上がったためしがナイからDA。
『Bubble』はバンクーバー先生が『セックスと』でみせたエグさと人間的イヤらしさが再び花弁大回転、本日はサービスデイにつき3回転ってな感じだ。主要人物にとことんフォーカスし日常に潜む鬱屈した閉塞感と寂寥感が心臓をブチ抜く。人間を性の観点から一刀両断するスタイルだ。安定を望むものにとって異物とは何よりの脅威である。異物が生活と精神を蝕んでいく感じはカネコアツシの『ソイル』に似ているなと感じた。
 マーサ役のデビー・ドーブライナーなる人物がスンバラシイ。彼女はプロではなく素人だそうだ。だがおそらく緊張からではなく演出だろう。彼女の表情は感情豊かには描かれていない。平穏を望む者の本質をついてるなとワタシは思った。
 久々ハングオーバー先生の怪作ではなかろうか。渡り廊下走り隊が気になる2010年の夏である。

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