2日目の狼たち




















しかしながら、書く事が無いということは、無いというのは恐ろしいことだ

山では、そういう日にはその年に取れた稲穂を数本、藤間の堤に生えている笹の葉で燻して供えるんだそうだ。と、関ばばはのったりとした口調で言った。

聡介はそれを聞くと目を閉じて、数回深い呼吸をした。
そしてつぶやいた。

『三日後、三日後にはちゃんとしよう。着物もちゃんとして預けるし、酒もやめる、三日後には・・・
・。サチエ・・・。』
そういってしまって聡介は、塞いだ瞼をもう一度力一杯に結んだ。

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