純粋悟性批判

タモリのまねをする。
虚しい。私は私が私でなく私の形をした私以外のなにかなのではないかと疑う。
まさか、そんなはずは。
冬の日のニューヨークの道に漂う下水からの煙が、煙でなく、皆の小便や糞やげろの混じった汚水が蒸発した水蒸気であるのを思い出してみるといい。
君は、うわ。と思うだろう。そして喉が渇いて角の自販機でコカコーラをもとめるが、あいにく売り切れで。
しかたなくコカの入ってないコーラを購う。
その聞いたことも無いブランドのコーラは、さっき思い浮かべた汚水のようなにおいがする。
工場ではベルトコンベアーの上の赤茶けた炭酸水に、この世のあらゆる汚水がぶちまけられている。
そしてやむを得ずコーラを吐く。
君は最低の気分で、汚水を飲んでしまった自分の不運を呪い嗚咽するが、喉が潤っていることに気付くのだ。なんだこれ。

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