あるXYの記録

 何とも学校の先生らしいとXYは思った。そして自分もよく読書をする旨のメールを送った。そんな当たり障りの無いやりとりをしばらくの間続けた。
 XYの人生において無価値であった年が終わる。しばらくぶりに働き始めた工場を辞めた。友達と組んだバンドは空中分解。来年は何か変わるのだろうか。期待しても無駄だということは知っている。しかし未来における具体的な希望などあるはずがなくそういう類の希望を抱く程度のことは許されてもいいだろう。
 新しい年がやってくる。先生をデートに誘った。一月三日までは失礼だと思い1月4日にした。国民の約半数が白組の矢沢永吉を見つめている。無価値であった年が終わる。新しい年がやってくる。

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